”リンサニティ”でNBAを席巻したジェレミー・リンが、現役引退を発表した。
37歳のリンは、SNSで引退を発表した。2019年以来、NBAの舞台から遠ざかっており、中国や台湾のリーグでプレイを続けていた。
Jeremy Lin retires: “Its been the honor of a lifetime to compete vs the fiercest competitors under the brightest lights…to challenge what the world thought was possible for someone who looks like me.…I’ll forever be the kid who felt fully alive everytime I touched a basketball” pic.twitter.com/Nf2CcBtbIS
— New York Basketball (@NBA_NewYork) August 31, 2025
一世を風靡したリンサニティは正式に終焉を迎えることになるが、リンは近年でも有数の記憶に残る選手としてキャリアに幕を下ろした。
リンのキャリアを振り返っていこう。
ジェレミーリンのキャリア リンサニティはいかにして生まれたのか?
リンサニティ(Linsanity)はLinとinsanity(狂気、ばかげた)を組み合わせたものであり、突如として大活躍を見せたリンに対する、ファンやリーグ全体の熱狂を表した言葉である。
2011-12シーズン、リンは2年目で、ルーキーシーズンをウォリアーズで過ごした後、ニックスの控え選手としてロスターに名を連ねていた。彼はベンチを温める存在だったが、2012年2月4日、故障者続出で苦戦するニックスの起爆剤として、出場機会が与えられた。
その試合は伝説となった。リンはネッツ戦、35分間の出場で25得点を挙げ、ニックスを勝利に導いた。続くジャズ戦では初の先発出場を果たし、28得点を記録し勝利に貢献。さらに次の試合では初のダブルダブルを達成した。
リンはレイカーズ戦で真価を発揮し、マディソン・スクエア・ガーデンでの試合でシーズンハイとなる38得点を記録した。ESPNで生中継されたこの活躍は、リンサニティ最高の瞬間となった。
リンは10試合のうち9試合で20得点以上を記録し、ニックスを8勝2敗のランに導いた。ラプターズ戦での決勝3Pも、忘れ難い瞬間である。
2011-12シーズン、リンは怪我によって35試合(先発25試合)の出場に終わった。その後はロケッツと契約を結んだため、ニックスでの栄光は輝かしくも儚いものとなった。
ジェレミー・リンのNBAキャリア成績
2010-19年で、リンは8つのチームを渡り歩き480試合に出場。平均11.6得点、2.8リバウンド、4.3アシストを記録した
2015-16シーズンには、最優秀シックスマン賞で7位の票数を集めた。
シーズン | チーム | G | PTS | REB | AST | STL | FG% | 3P% |
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2010-11 | ウォリアーズ | 29 | 2.6 | 1.2 | 1.4 | 1.1 | 38.9 | 20.0 |
2011-12 | ニックス | 35 | 14.6 | 3.1 | 6.2 | 1.6 | 44.6 | 32.0 |
2012-13 | ロケッツ | 82 | 13.4 | 3.0 | 6.1 | 1.6 | 44.1 | 33.9 |
2013-14 | ロケッツ | 71 | 12.5 | 2.6 | 4.1 | 1.0 | 44.6 | 35.8 |
2014-15 | レイカーズ | 74 | 11.2 | 2.6 | 4.6 | 1.1 | 42.4 | 36.9 |
2015-16 | ホーネッツ | 78 | 11.7 | 3.2 | 3.0 | 0.7 | 41.2 | 33.6 |
2016-17 | ネッツ | 36 | 14.5 | 3.8 | 5.1 | 1.2 | 43.8 | 37.2 |
2017-18 | ネッツ | 1 | 18.0 | 0.0 | 4.0 | 0.0 | 41.7 | 50.0 |
2018-19 | ホークス・ラプターズ | 74 | 9.6 | 2.4 | 3.1 | 0.6 | 44.0 | 29.4 |
原文:Jeremy Lin retires: Former face of NBA's 'Linsanity' retires from professional basketball
抄訳:小野春稀