ルベン・アモリムはマンチェスター・ユナイテッドの監督として厳しい瞬間を何度か経験してきたが、4部のグリムズビー・タウンにカラバオカップで敗退したことは、それらを上回る屈辱となった。
ユナイテッドは前半に格下の相手に完全に圧倒され、ハーフタイム時点で0-2とリードを許した。試合終盤で2-2に追いついたものの、最終的にPK戦で敗れた。その後、アモリムは「もし勝ち上がっていたとしても、それはフェアではなかった」と語った。
9月の代表ウィーク直前にはホームでバーンリーに3-2で勝利したが、調子を取り戻したという見方は9月14日のマンチェスター・ダービーでの0-3の敗戦で完全に打ち消された。
1か月前には、良好なプレシーズンとアーセナル戦での1-0の惜敗が評価され、ポジティブな雰囲気が漂っていた。しかし、フラム戦での引き分けとグリムズビーでの屈辱的敗戦を経て、アモリムに対する空気は一変した。多くのファンはこれまで監督を全面的に支持していたが、今では続投を疑問視している。アモリム自身も、自らの能力に疑念を抱き始めているように見える。
アモリムは9月の代表ウィークで「考える時間」があるだろうと述べていた。果たしてそのとき彼はまだ指揮を執っているのだろうか? スポーティングニュースが最新情報を検証する。
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ルベン・アモリム監督は解任されるのか?
9月14日時点で、アモリムは依然としてユナイテッドの監督を務めており、直ちに変化が起きる兆しは少ない。
グリムズビーでの惨敗直後、クラブはアモリムを支持するかどうかについて沈黙を貫いたが、それは驚くべきことではなかった。クラブはまず状況を落ち着かせてから次の動きを示そうとしたのだ。BBCのサイモン・ストーンは8月28日に、クラブ首脳陣は依然としてアモリムを支持していると報じた。ただし、クラブの公式Xアカウントがグリムズビー戦後24時間以上も何も投稿しなかったのは注目に値する。
試合後にアモリムが「時々、自分の選手が嫌いになる」と語ったことは、チーム立て直しへの自信を示すものではなかった。しかし少なくとも8月末のバーンリー戦で3-2の勝利を収め、一定の反応を示した。ただし、シティ戦での0-3の敗北により、ポジティブな流れが生まれる余地は完全になくなった。
「苦しむ」アモリム監督は戦術変更を否定
シティ戦後、アモリムは再びシステムを変えるかどうか質問を受けた。就任以降、リーグ戦31試合で8勝しか挙げていないからだ。
任期以来、降格クラブを除けばプレミアリーグで最悪の成績を残しているにもかかわらず、アモリムは自らの理念を貫くと強調した。
「みんな、理解しているし受け入れている。マンチェスター・ユナイテッドが持つべき記録ではない。いろんなことがあった、この数か月の間に君たちが知らないこともある。しかし受け入れている。だが、自分は変えない」
「自分が哲学を変えたいと思ったら変える。そうでなければ、人を変えるしかない。負けるたびにその話をすることになるだろう。だが自分はシステムやその他のものを信じているのではない。自分のやり方を信じている。そして自分が変えたいと思うまでそのやり方でやり続ける」
「自分のメッセージは、全てを捧げるということだ。常にクラブのために最善を考え、すべてを尽くす。それは変わらないメッセージだ。監督を変えるかどうかは自分の決定ではない。自分がここにいる限り、最善を尽くす。試合に勝ちたい。ファン以上に苦しんでいるのは自分だ」
バーンリー戦前日には記者団に対し、時にはクラブを辞めたいと思うこともあるが、気持ちが変わることもあると明かした。
「時々辞めたいと思うし、時々20年間ここにいたいとも思う。選手たちと一緒にいるのが好きなときもあれば、そうでないときもある。だからその点は改善しないといけない。難しいことだ。でも次の試合に向けて今は前向きだ」
アモリムはグリムズビー戦後、国内放送局やクラブの公式チャンネルに対しても怒りを隠さなかった。
ITVに対しては、自らが目にしたものに「ショックを受けた」と語り、「何かを変える必要があると感じている。だが22人の選手を再び全員入れ替えることはできない」と述べ、自身の去就に疑念を抱かせた。
さらに彼は、選手たちが戦う準備ができていないか、自分の期待に応える能力がないのではないかと示唆するような発言をした。「今この瞬間、人々は全てに注目する。細部まで大きな意味を持つ。だが今日の我々のパフォーマンスがそれを物語っていた。選手たちが大きな声で自分の代わりに語ったのだ」と彼は述べた。
Ruben Amorim's domestic record at Manchester United ✍️ pic.twitter.com/KvQznJBlNQ
— Sky Sports Premier League (@SkySportsPL) August 28, 2025
アモリム監督は辞任する可能性があるのか?
過去、アモリムが自らの手でユナイテッドを去る可能性があると示唆されてきた。
2025年のプレシーズンツアー中のインタビューで、アモリムは昨シーズン、一度辞任を考えたことを認めている。5月にトッテナムにヨーロッパリーグ決勝で敗れた後、監督としてふさわしくないと感じられるなら慰労金なしで退任するつもりだったと述べた。「もし取締役会やファンが自分をふさわしくないと思うなら、翌日に補償について何も話さず去る」と語った。
グリムズビー戦後の発言は、その考えを現実にするのではないかと一部で推測を呼んだ。しかし彼はこれまで、試合直後に感情に流されて発言してしまうことを認めており、発言を深刻に受け止めすぎるべきではないかもしれない。
ルベン・アモリム監督のユナイテッドでの成績
就任から約10か月での成績は惨憺たるものだ。国内大会(プレミアリーグ、カラバオカップ、FAカップ)で36試合を戦い、わずか9勝しか挙げていない。ヨーロッパリーグでは決勝進出により8勝を記録したが、全体の勝率は36.5%にとどまる。これはスポルティングCP時代の勝率のほぼ半分にあたる。
詳細なアモリムのデータは他にもあるが、決して明るい内容ではない。
マンチェスター・ユナイテッドの次期監督候補は?
INEOSの経営陣は1年未満で再び監督を交代させることを望んではいないが、必要だと感じれば動くのは間違いない。
次の候補は難しい問題だ。ギャレス・サウスゲートの名前はしばしば挙がる。彼はINEOSの幹部と関わりがあるからだ。しかし、クラブフットボールに戻った場合の実力については疑問が残るとされる。
Indykailaによれば、クリスタル・パレスのオリヴァー・グラスナーとボーンマスのアンドニ・イラオラが後任の有力候補としてリストアップされているという。両者ともプレミアリーグでの経験を持ち、現クラブで結果を残しているため、候補として魅力的に映る。
また、元ユナイテッドのMFで暫定監督も務めたマイケル・キャリックの名前も浮上している。彼は6月にチャンピオンシップのミドルズブラから解任されたため、コストの低い選択肢となるだろう。暫定的な起用であれば現実的だ。
その他の名前としては、イプスウィッチのキアラン・マッケナ(元ユナイテッドのアシスタント)、レアル・マドリードのレジェンドであるジネディーヌ・ジダン、元バルセロナ監督のシャビなども挙がるが、現時点ではいずれも実現の可能性は低いと見られている。
原文:Will Ruben Amorim be sacked? Latest news, updates after Man United lose derby to Man City
翻訳:小鷹理人(スポーティングニュース日本版)
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