2017年の大会創設以来、ジョン・マッケンロー(アメリカ)とビヨン・ボルグ(スウェーデン)は、2017年の大会開始以来、それぞれチームワールドとチームヨーロッパのキャプテンとしてレーバーカップで活躍してきた。
しかし、日本時間9月20日(土)から米国サンフランシスコのチェイス・センターで開催される第8回大会には新たなキャプテンが登場する。
チームヨーロッパは、過去に5回のレーバーカップ優勝を誇るチームワールドのリードをさらに広げることができるのか?
ここでは2025年のレーバーカップで両チームを率いるキャプテンを紹介する。
2025年のレーバーカップのキャプテンは?
2025年のレーバーカップでは8回目にして新キャプテンが任命された。
2017年から2024年までは、ビヨン・ボルグ(ヨーロッパ)とジョン・マッケンロー(ワールド)の2人がそれぞれのチームのキャプテンを務めてきた。
2025年は8度のグランドスラム優勝者であるアンドレ・アガシ(アメリカ)がチームワールドを率いる一方、チームヨーロッパのキャプテンには1983年のフレンチオープン優勝者であるヤニック・ノア(フランス)が就任した。
両チームは大会の副キャプテンも発表しており、チームワールドにはパット・ラフター(オーストラリア)、チームヨーロッパにはティム・ヘンマン(イギリス)が決定している。
なぜアガシとノアがキャプテンに選ばれたのか?
2024年の第7回大会に先立ち、マッケンローとボルグがキャプテンの座を降りることが決定し、2025年からはアガシとノアが後任を務めることになった。
マッケンローとボルグは、2017年のレーバーカップの初開催でチームワールドとチームヨーロッパの初代キャプテンを務め、その後の6度の大会でもその役目を務めた。
2024年にベルリンで開催されたレーバーカップでは、アガシとノアも式典に出席していた。
アガシは、2017年から2018年までノバク・ジョコビッチ(セルビア)、2018年から2020年までグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)のコーチを務めた経験がある。
ノアは、フランス代表のキャプテンとして3度のデビスカップ優勝を経験し、ビリー・ジーン・キング・カップとフェドカップのフランス代表の監督も務めた。
アンドレ・アガシの略歴
アガシは1999年に全仏オープンで優勝し、ロッド・レーバー(オーストラリア)に続き、オープン時代で2人目の生涯グランドスラム(キャリアを通じて4大大会全てを制覇すること)を達成した選手となった。
キャリア・グランドスラム達成者にはその後、ロジャー・フェデラー、ラファエル・ナダル、ジョコビッチの3選手が加わった。
アガシはまたオリンピックの金メダルも獲得しており、ナダルとジョコビッチと共に、キャリアを通じてグランドスラム4大会すべてとオリンピック金メダルを獲得する『生涯ゴールデンスラム』を達成した3選手の1人でもある。
アガシは全豪を4回、全米を2回、全仏と全英を1回ずつ、合計8回のグランドスラムで優勝している。
これにより、彼は 101週間にわたって世界ランキング1位を維持し、17回のATPツアー・マスターズ1000優勝、3回のデビスカップ優勝を含む60回のATPタイトルを獲得した。
ヤニック・ノアの略歴
ノアにはアガシほど輝かしい戦績はないが、1983年の全仏オープンで優勝したグランドスラム・チャンピオンである。
1946年以来この大会で優勝した最初のフランス人選手であるとともに、ローラン・ギャロスで優勝した最後のフランス人選手となっている。
ノアはそのキャリアで世界ランキング3位まで上り詰め、20年にわたるキャリアの中でシングルスのタイトルを23個、 ダブルスのタイトルを16個獲得した。
また、1991年、1996年、2017年のデビスカップでフランス代表のキャプテンを務め、1997年にはフランスを初のフェドカップ優勝に導いた
2025年のレーバーカップの出場選手は?
チーム・ヨーロッパでは、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)が6回目のレーバーカップに出場する。彼が出場した5大会では全てチーム・ヨーロッパが勝利を飾っている。
カルロス・アルカラス(スペイン)も、チーム・ヨーロッパが勝利した2024年に続いて2回目の出場が決まっている。
チームワールドでは、テイラー・フリッツ(アメリカ)が5回目のレーバーカップ出場を果たす。これまでの出場ではチーム戦績は2勝2敗だ。
またレーバーカップで6勝5敗の戦績を残しているフランシス・ティアフォー(アメリカ)がチームワールドに復帰を果たす。
両チームの出場選手は以下の通りだ。
レーバーカップ2025年大会のチームリスト
ヨーロッパ | ワールド |
---|---|
アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ) | テイラー・フリッツ(アメリカ) |
カルロス・アルカラス(スペイン) | ベン・シェルトン(アメリカ) |
ホルガ・ルーネ(デンマーク) | フランシスコ・セルンドロ(アルゼンチン) |
カスパー・ルード(ノルウェー) | アレックス・ミケルセン(アメリカ) |
ヤクブ・メンシク(チェコ) | ジョアン・フォンセカ(ブラジル) |
フラビオ・コボッリ(イタリア) | ライリー・オペルカ(アメリカ) |
レーバーカップの2025年大会はいつ?
- 日程:現地2025年9月19日(金)〜21日(日)/日本時間20日(土)〜22日(月)
全米オープンがフラッシング・メドウズで終了してから約2週間後、2025年レーバーカップが9月19日(金)に開幕する。最終日は9月21日(日)で、必要に応じて最大4試合を行って優勝チームを決定する。
レーバーカップ2025大会スケジュール
日付 | 試合 | 種目 | 時間(現地) |
---|---|---|---|
9月19日(金) | 第1試合 | シングルス | 午後1時 |
第2試合 | シングルス | 前試合終了後 | |
第3試合 | シングルス | 午後7時 | |
第4試合 | ダブルス | 前試合終了後 | |
9月20日(土) | 第5試合 | シングルス | 午後1時 |
第6試合 | シングルス | 前試合終了後 | |
第7試合 | シングルス | 午後7時 | |
第8試合 | ダブルス | 前試合終了後 | |
9月21日(日) | 第9試合 | ダブルス | 正午 |
第10試合* | シングルス | 前試合終了後 | |
第11試合* | シングルス | 前試合終了後 | |
第12試合* | シングルス | 前試合終了後 |
*必要に応じて実施
各日シングルス3試合とダブルス1試合が、3セットマッチで行われ、最後のセットは10ポイントのタイブレーク形式で行われる。
チームは13ポイントに達した方が勝利する。金曜日の勝利は1ポイント、土曜日は2ポイント、日曜日は3ポイントとなり、最終日まではチャンピオンが決定しない仕組みとなっている。
12試合終了時点で引き分けの場合、最終のダブルスが行われる。
すべての選手は金曜日から土曜日の間に少なくとも1つのシングルス試合に出場し、6人中4人以上がダブルスに参加する必要がある。
日曜日に1試合で優勝が決まった場合、トロフィー授与式後にエキシビションマッチが行われる。
レーバーカップの歴代優勝チーム・試合結果
年 | 優勝チーム | スコア | 準優勝チーム | 開催地 |
---|---|---|---|---|
2017 | チーム・ヨーロッパ | 15 - 9 | チーム・ワールド | チェコ・プラハ |
2018 | チーム・ヨーロッパ | 13 - 8 | チーム・ワールド | アメリカ・シカゴ |
2019 | チーム・ヨーロッパ | 13 - 11 | チーム・ワールド | スイス・ジュネーブ |
2020 | - | - | - | 開催されず |
2021 | チーム・ヨーロッパ | 14 - 1 | チーム・ワールド | アメリカ・ボストン |
2022 | チーム・ワールド | 13 - 8 | チーム・ヨーロッパ | イギリス・ロンドン |
2023 | チーム・ワールド | 13 - 2 | チーム・ヨーロッパ | カナダ・バンクーバー |
2024 | チーム・ヨーロッパ | 13 - 11 | チーム・ワールド | ドイツ・ベルリン |
2025 | ? | ? | ? | アメリカ・サンフランシスコ |
原文:Who are the Laver Cup captains? Why Andre Agassi, Yannick Noah were selected to lead Team World, Team Europe
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)