大関・琴櫻、秋場所連勝スタートは八角理事長のおかげ? 「弱ければ大関になれるわけない」古参親方も復調を後押し

柴田雅人 Masato Shibata

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時事

大相撲秋場所は15日、2日目の取組が行われた。長引く不振からの脱出を目指す東大関・琴櫻は、東前頭2枚目・伯桜鵬を突き落としで破り初日からの連勝を2に伸ばした。

お互いに初日白星スタートで臨んだこの一戦。立ち合い、右足を踏み込み鋭く当たってきた伯桜鵬に対し、琴櫻は両腕を下からすくい上げるように動かしもろ差しを狙うも不発。しかし、伯桜鵬が押し込んできたタイミングで左に動くと、前のめりになるようにバランスを崩した伯桜鵬のまわしに左手をかけつつ地面に這わせた。

今年の琴櫻は綱取りをかけて臨んだ初場所で5勝10敗と大きく負け越すと、春場所からは3場所連続で8勝止まりと今一つの調子が続いている。今場所も初日の西前頭筆頭・阿炎戦は相手の突っ張りをはね除け一気に押し出したが、2日目は逆に伯桜鵬に押し込まれヒヤッとさせられるという対照的な内容となっており、3日目以降の展開はまだ読めない部分が大きい状況だ。

ただ、この日NHK大相撲中継で正面解説を務めた境川親方(元小結・両国)は「いい相撲ばかりで勝てるわけじゃないので、こうやって勝ちを拾っていくことも大事。(そうすれば)自ずといい内容の相撲に変わっていくでしょう。懐の深さ、柔らかさや柔軟性(に頼る)ばかりじゃなくて、昨日みたいにどんどん自分から攻める相撲を取れればもっと成績は上がると思う」と、初日のような積極性が持てれば徐々に復調していくだろうと指摘。

また、同親方は「夏巡業中、八角理事長(元横綱・北勝海)が旭川、札幌と稽古を視察に来られたんですけど、その時に琴櫻をすごく叱咤激励されてました」と明かしつつ、「弱ければ大関になれるわけないですから、自信持ってやってもらいたいですね」とエールを送っている。

琴櫻が初日から連勝を記録したのは、自身初優勝を果たした2024年九州場所以来となる。八角理事長の檄も一定の効果があったようだが、3日目以降も復調への歩みを続けていくことはできるだろうか。

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柴田雅人 Masato Shibata

スポーティングニュース日本版スポーツコンテンツライター。福岡県出身。幼少期から相撲、野球、サッカーを中心に幅広くスポーツを観戦。大学卒業後からライター活動を開始し、主にスポーツ記事の企画立案、取材、執筆などに携わる。現在もスポーツ観戦が一番の趣味で、複数競技を同時に視聴することもしばしば。