ニューヨーク・メッツは今シーズン、先発ローテーションに問題を抱え続けている。故障や不安定な投球、調子の低下、新人選手の台頭など、話題には事欠かない状況だ。
中でも懸念されるのが、千賀滉大の状態である。5年総額7500万ドル(1ドル148円換算で約111億円)の契約を結んでいる千賀は今シーズン序盤こそエリート級の活躍を見せたが、ハムストリングの負傷以降、本来の調子を取り戻せずにいる。そして現在はマイナーリーグで投球フォームや制球力の改善に取り組んでいるが、これが思うように進んでいないという。
米ケーブル局『ESPN』のホルヘ・カスティーヨ氏は、千賀の状態はさらに懸念が深まっていると報じた。トリプルAで苦しいピッチングをしたことで、メジャー復帰の準備が整っていないと本人が明かしたという。
千賀は降格後、自信を取り戻しメッツの先発ローテーションへ復帰するべく投球フォームの修正を続けてきた。しかしカスティーヨ氏によれば、その進捗も思わしくない。
「千賀は金曜日に球団関係者と電話で話し、体調は良好だと伝えたものの、木曜日にトリプルAシラキュースで3.2イニングを投げ4失点と苦戦したことから、メジャーリーグで投げる準備が整っていないと明かした」と同氏は伝えている。
今回の報道がより不安を煽るのは、千賀がマイナー初登板では好投していたからだ。6回を投げ、被安打3、1失点、四球ゼロ、8奪三振という内容だった。
しかし2度目の登板で苦戦を強いられ、メジャー復帰の準備が整っていないと球団に伝えたという報道がされたことで、メッツは千賀抜きでシーズン終盤を戦わざるを得ないのではないかという憶測が広まっている。
ニューヨークは現在、ワイルドカード枠の3位を維持しており、このままいけばプレイオフでロサンゼルス・ドジャースと対戦する。楽なシリーズになるとはずはなく、千賀のような投手が万全の状態で登板できれば大きな戦力になることは確かだ。
幸いにしてノーラン・マクリーン、ブランドン・スプロート、ジョナ・トンの若手投手陣が活躍を見せている。
現状の不振や不安定さを考えれば、メッツにとって決断は難しくないだろう。不安定な千賀をポストシーズンに送り出すことは、本人にもチームにも得策ではない。
周囲、そして自分自身を納得させるピッチングをしてメジャー復帰を勝ち取ることができるかどうか、最終判断を下す前に千賀はもう一度AAAで調整登板を行う予定だ。
原文:Mets' Kodai Senga shares worrying update after rough rehab outing
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)
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