大谷翔平にできないことはあるのだろうか?
マウンドに立てば100マイルの速球を投げ、打席ではドジャー・スタジアムから110号線まで飛ぶ打球を放つ。大谷が毎晩のように見せる光景は魔法のようだが、ドジャースが総力戦態勢で10月を迎える中、この『二刀流』のスーパースターは必要とあれば別のポジションも引き受ける覚悟を見せている。
ポストシーズンを前にしたドジャース最大の懸念は不安定なブルペンだ。タナー・スコットやブレイク・トライネンといったリリーフ陣は、ゲーム終盤の重要な場面で期待されたピッチングを見せられていない。ここは大谷が大きな役割を担える場面と言える。
「いろんな人といろんな話をして、もちろん当然その話も出ましたし、さっきも言いましたけど、プレイヤーとしてどこでも行けと言われた時に、その対応ができる準備っていうのはまずしたいなとは思ってるので」と、大谷は現地16日(火)のフィリーズ戦の試合後に記者団にリリーフに回る可能性について語った。
ただ、二刀流のルールは熱心な野球ファンさえも困惑させる。
2022年に導入されたいわゆる『大谷ルール』では、試合開始時点で指名打者兼投手として出場すれば、降板後も指名打者として出場し続けることができる。しかし、指名打者として試合をスタートした選手がリリーフで登板した場合には、その時点で指名打者としての資格が消滅し、指名打者として出場し続ける事はできなくなる。また、リリーフ登板した投手が試合途中から指名打者となることもできない。
それでもドジャースが先発投手として起用するよりも救援投手として大谷を起用した方がその力を最大限に活用できると判断したなら、それはそれでいいだろう。ただしその代償として大谷のバットをラインアップから失うことになる。大谷が打者として出場し続けるためには降板後に守備につくことが求められるというわけだ。
大谷の外野での起用は、一部の人には無謀な思いつきに映るかもしれない。しかし大谷は日本時代にもMLBに来てからも外野を守った経験がある。
何より大谷自身はすでにその覚悟を決めているようだ。
「それがマウンドでもそうですし、もしかしたら外野もね。リリーフで行くということは、その後のことも考えると、外野の守備にもつかないといけないっていう状況があったりすると思うので、どんな状況にもなったとしても、しっかりとこう対応できる準備っていうのをしたいなと思ってます」
原文:Shohei Ohtani could potentially play in outfield for playoffs
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)
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