カル・ラリー(ローリー)は唯一無二の存在だ。
スイッチヒッターはスポーツ界でも最も難しい技術の一つであり、シアトル・マリナーズの捕手ほど見事にこなしている者は他にいない。
現地16日(火)の夜、ラリーは左打席からとてつもない一発を放った。ライトのポール際へ高々と飛んだボールはラリーの今季55号ホームランとなった。
A historic 55th for Cal Raleigh!
— Seattle Mariners (@Mariners) September 17, 2025
No switch-hitter has EVER had as many homers in a season 🤯 #TridentsUp pic.twitter.com/AkI86KzCTA
この一打で、ラリーはスイッチヒッターによるシーズン最多ホームラン記録を更新した。
これまでの記録保持者はミッキー・マントルだった。1961年、ヤンキースのチームメイトだったロジャー・マリスがベーブ・ルースのシーズン最多本塁打記録を破る61ホーマーを打った年、マントルもそれに追いかけるように54本のホームランを放った。
ラリーは今や、ほぼ全ての記録をその手中に収めた。
まず捕手によるシーズン最多本塁打記録(48本)をサルバドール・ペレス(ロイヤルズ)から奪った。
そして今週月曜日、ハビー・ロペス(元ブレーブス)が保持していた、実際に捕手として出場した試合でのシーズン最多本塁打記録(42本)も更新した。
さらにこの日、マントルの記録を更新すると、続く打席で今度は右打席からこの日2本目のホームランを打ってケン・グリフィーJr.が持つシーズン最多本塁打のチーム記録(56本、97年/98年)に並んだ。
2️⃣9️⃣ and 2️⃣4️⃣
— Seattle Mariners (@Mariners) September 17, 2025
Cal Raleigh has TIED Ken Griffey Jr. for the franchise single-season home run record! #TridentsUp pic.twitter.com/bZwFhmYL23
この記録も更新間近と言っていいだろう。
さすがにアーロン・ジャッジが持つア・リーグのシーズン最多本塁打記録(62本、2022年)に追いつくのは難しいだろうが、もう一つ、長年破られなかった記録を塗り替えるのも悪くない。
『ビッグ・ダンパー』の今シーズンは、そんな壮大で、魔法のような、輝かしいものとなっている。
原文:Mariners’ Cal Raleigh breaks Mickey Mantle’s historic switch-hitting home run record
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)
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